シラバス詳細

コースナンバリング	1351x-141
科目名	基本統計学
開講学期	前期
開講時期	１クォータ
曜日・校時	木４
単位数	2
授業担当教員	亀山　嘉大

学士力番号

2（2）、3（2）

講義形式

講義形式と演習形式
講義形式で、統計学の基本を説明した後、On the Job Training（OJT）形式で実際に各自がExcelを使って統計学の演習を行う。計算の実施、計算に基づく図や表の作成を行う。

講義概要

統計学は幅広い分野で利用されている学問です。集団を代表的な数値で表現するときに平均をつかったり、所得格差をみるときにジニ係数という数値を用いるなど、統計学は私たちの日常生活の中で、常に利用されています。社会科学の学習においても統計学の知識は必要不可欠のものです。何故なら、経済や経営にかんする情報は量的データや質的データとして、誰でも比較的安く、簡単にしかも豊富に利用できるからです。GDPデータ、株価、為替、金利など経済活動を考えるときに重要なデータは、インターネットで簡単に入手でき、経済分析に利用することができます。このように、データが豊富に存在する経済学や経営学において、その分析には統計学の知識が不可欠であり、統計学の知識を持っていることはひとつのアドバンテージになります。
　この講義の目標は統計学の基本的な「見方・考え方」を身に付けることです。具体的には、観測データの集約方法を解説し、複数の変量間の関連性を、回帰や相関といった概念を用いて考察します。また、統計学の次の目標である推測理論について、その基礎となる確率と確率分布および推定・検定の考え方の導入部も説明します。

開講意図

（1）統計データとは何なのか、（2）統計データの取りまとめ方、（3）データの要約結果の見方などを習得し、経済学や経営学の学習においてデータ分析ができるようになることを意図している。（4）Excelで統計分析の基本ができるようになることを意図している。

到達目標

１．主要統計量（平均、分散など）の意味と計算方法を理解する。
２．度数分布を作成し、そこからデータの分布の特性を読み取る。
３．2つ以上の関連するデータ間の関連性を読み取ることができるようになる。
４．経済統計の特徴を理解する。
５．これら１～４をExcelの使い方と紐付けて習得する。
６．確率の基本を理解する。

聴講指定

ExcelがインストールされたPCを常に持参の上、授業に臨むこと（スマートフォンは役に立たないので、必ずPCを持参のこと）。Excelの使い方は、一定程度、習得しておくこと。

履修上の注意

令和5年度の学部専門科目は、一部の指定科目を除き、原則対面実施である。
ただし、感染症の拡大状況などで対面実施からオンライン実施に変更になることがある。
オンライン実施の場合、同時中継型、オンデマンド（資料配布）型、オンデマンド（動画配信）型などの形態で開講する。この変更がある場合、LiveCampusを通じて連絡しますので、見落とさないように確認してください。

下記の授業計画の予定であるが、受講者の理解度に応じて進行を調整する。
毎回練習問題に取り組み、学んだことを復習しながら統計とExcelのスキルをみにつけること。

授業計画

回	内容	授業以外の学習本科目は、単位数×45時間の学修が必要な内容で構成されています。授業として実施する学修の他に、授業の内容を深めるために以下の事前・事後学修が必要です。
1	統計学の考え方－データサイズとAI（特に機械学習）との関連での重要性－	次回までの課題：授業の復習をしておくこと
2	データの種類, 度数分布とヒストグラム－データの分布をみる－	次回までの課題：復習と課題
3	度数分布とヒストグラム－現実のデータで経済の分布を見る－	次回までの課題：復習と課題（講義内にExcelでできなかったものも含めて、持ち帰ってできるようにしておく）
4	中心位置の尺度（算術平均値、中央値、重み付き平均）	次回までの課題：復習と課題（講義内にExcelでできなかったものも含めて、持ち帰ってできるようにしておく）
5	中心位置の尺度（幾何平均値と移動平均）	次回までの課題：復習と課題（講義内にExcelでできなかったものも含めて、持ち帰ってできるようにしておく）
6	散らばりの尺度（標準偏差、変動係数、標準化と偏差値）	次回までの課題：復習と課題（講義内にExcelでできなかったものも含めて、持ち帰ってできるようにしておく）
7	散らばりの尺度（変動係数、標準化と偏差値、Box Plot）	次回までの課題：復習と課題（講義内にExcelでできなかったものも含めて、持ち帰ってできるようにしておく）
8	度数分布から求める要約値	次回までの課題：復習と課題（講義内にExcelでできなかったものも含めて、持ち帰ってできるようにしておく）
9	分割表（クロス集計）	次回までの課題：復習と課題（講義内にExcelでできなかったものも含めて、持ち帰ってできるようにしておく）
10	相関係数とその意味	次回までの課題：復習と課題（講義内にExcelでできなかったものも含めて、持ち帰ってできるようにしておく）
11	直線のあてはめ（最小二乗法）① －とにかく当てはめてみる－	次回までの課題：復習と課題（講義内にExcelでできなかったものも含めて、持ち帰ってできるようにしておく）
12	直線のあてはめ（最小二乗法）② －対数線形の意味を知る－	次回までの課題：復習と課題（講義内にExcelでできなかったものも含めて、持ち帰ってできるようにしておく）
13	経済データの解説およびその活用－生産関数、要因分析－	次回までの課題：復習と課題（講義内にExcelでできなかったものも含めて、持ち帰ってできるようにしておく）統計解析ソフトRを各自のPCにインストールしてくる。
14	統計解析ソフトRの活用	次回までの課題：復習と課題
15	15 全体的なまとめ－紙＆鉛筆で計算してみる－	次回までの課題：定期試験の準備として、全講義を振り返って復習しておくこと。

成績評価の方法と基準

定期試験成績による。定期試験は到達目標1、2、3、4をすべて含む内容になる。

参考：到達目標の1、2、3、4を再掲
１．主要統計量（平均、分散など）の意味と計算方法を理解する。
２．度数分布を作成し、そこからデータの分布の特性を読み取る。
３．2つ以上の関連するデータ間の関連性を読み取ることができるようになる。
４．経済統計の特徴を理解する。

開示する成績評価の根拠資料等

試験問題と解答例を状況に応じて、開示か説明する。

開示方法

メールでアポイントのあと、研究室などで解答を開示し、解答例を開示か解説する。

教科書

資料名		版
著者名	発行所名・発行者名	出版年
備考（巻冊：上下等）		ISBN
参考書で掲載したものの内1つを好み（自分の理解しやすさ）に合わせて持っておくことが望ましい

参考図書

資料名		版
著者名	発行所名・発行者名	出版年
備考（巻冊：上下等）		ISBN
データサイエンス指向の統計学
大内俊二	学術図書出版社	2021
ISBN: 978-4780609165		978-4780609165
例題で学ぶ初歩からの統計学		第2版
白砂堤津耶著	日本評論社	2015
		9784535557901

オフィスアワー

火4

アクティブラーニング導入状況

アクティブラーニング導入状況
カテゴリー4	カテゴリー3	カテゴリー2	カテゴリー1	カテゴリー0
学生が自ら主体となって、学習の方向性を定め、問題解決に導くための時間です。PROBLEM BASED LEARNING	グループや個人で行った能動的学習の成果を、教室内外で発表し、その評価を受けたり、質問に対応したりすることにより、学修した内容を深化させるための時間です。OUTPUT	学生自らが自由に発言し、グループやペアでの協働活動により課題に取り組み、何らかの帰結に到達するための能動的学習の時間です。INTERACTION	学生からの自由な発言機会はないものの、授業時間中に得られた知識や技能を自ら運用して、問題を解いたり、課題に取り組んだり、授業の振り返りをしたりする能動的学習を行う時間です。ACTION	基本的に学生は着席のまま、講義を聞き、ノートをとり、知識や技能を習得に努める時間です。INPUT
0	0	20	20	60

その他

佐賀大学データサイエンス教育プログラム（リテラシーレベル）に対する学修到達目標：（1-2）、（1-4）、（1-5）、（2）

教員から履修者へのメッセージ
統計データを活用する意義は古くから認識されている。例えば明治時代の日本において、佐賀出身の大隈重信は統計の重要性を認識しており、国勢調査を実施すべく統計院を設立した。これは大隈重信のあまり知られていない功績の1つである。現在、統計学の社会的重要性はさらに高まっており、様々な分野で統計が活用されている。
授業の導入の際には、佐賀市大隈記念館から提供いただいた資料等を元に、大隈が統計の重要性をどのように認識していたのかを紹介します。授業の本質ではありませんが、皆さんの豊かな教養の一部として下さい。